相続についての常識


相続とは、人の財産などの様々な権利義務を他の人が包括的に承継する

ことをいいます。ある人の死亡によって開始しますが、ここでいう「死

亡」には、失踪宣告や認定死亡も含まれ、必ずしも医学的な死亡と同じ

ではありません。日本の民法では、ある人が死亡したことによって当然

に権利義務の承継が行われますので、特別な手続は不要です。

ここで注意したいのは、「包括的に承継する」という点です。したがって、

不動産や現金などプラスの財産は受け継ぐが、借金などのマイナスの財

産は受け継がないといったことはできないのです。もっとも、常に債務

などを受け継ぐとすると遺族にとって酷なことになってしまいます。そこで、

民法は手続によって遺族が債務などから逃れられる制度を設けました。

一つが限定承認という制度です。これは、受け継いだ財産の価値について

のみ債務などについて弁済するというものです。しかし、これは結果とし

て財産を受け継いだ人の利益はプラスマイナスゼロになります。もう一つ

は放棄という制度です。これはプラスの財産もマイナスの財産も全て承継

しないことにするものです。

そうすると、もし亡くなった人がプラスの財産よりもマイナスの財産を多

く有しているのであれば、せいぜい放棄か限定承認のいずれかによってプ

ラスマイナスゼロにできるだけであって、トータルでプラスになるように

財産を受け継ぐことはできないことになります。

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